Wavefrontで学ぶ分散トレーシング Part-1
この文章は、Wavefrontで学ぶ分散トレーシング シリーズの第一回目です。
シリーズ
第一回 : 概要編 ← いまここ
第二回 : Spring Bootで分散トレーシング
第三回 : REDメトリクスって何?
第四回 : サービスをつなげてみる
第五回 : Pythonで分散トレーシング
第六回 : AMQPで分散トレーシング
第七回 ; サービスメッシュで分散トレーシング
Wavefrontとはなんぞや?
WavefrontとはいうのはSaaSベースのクラウドおよびアプリケーションの監視プラットフォームです。
現在はVMwareに買収されており、Tanzu Observabilityと呼ばれています。
このシリーズでは、旧称のWavefrontを多用しますが同じものです。
分散トレーシングとはなんぞや?
分散トレーシングについては弊社のClement氏の動画がわかりやすいので貼っておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Z7mf_oZfcSE
はい、英語です。というわけで要点を説明すると…
- Lift(Uberみたいなもの)を例に考え方を説明
- 分散トレーシングは主に2つの要素がある、それがTraceとSpan
- Traceとは、あるまとまった一つの処理のこと、動画ではLiftで乗車を依頼してから降車するまでの処理として説明
- Spanとは、Traceを形成する個々の処理の単位のこと
- 分散トレーシングとは、それらを視覚的に捉えやすくし、どこに問題があるか、どの処理に時間がかかっているかなどをみること
Wavefrontは、この分散トレーシングを使ってアプリケーションの可視化を行えるようにしているツールです。
例えば、マイクロサービスでの各コンテナーどうつながっているかを以下のようなグラフで表現したり
どの処理がどのくらい時間かかったか、失敗している処理はなどがわかるようになります。
このシリーズはなんぞや?
さて、本題のこのシリーズについて、少し説明します。私自身、分散トレーシングに初めて触れたのは3年前でした。そして、その触れた要因がサービスメッシュ、Istioを勉強している時でした。IstioとZipkin(やJaeger)をセットで紹介されていることが多かったです。ただ、正直よく理解はしていなかったです。また環境の用意にも重い腰があがりませんでした。
このシリーズは(きっと)私のようなレベルの方々に向けて、以下の点に注力して、分散トレーシングをとりあげたいと思います。
- なるべく、お金も時間もかけない
- アプリケーションがまったく書けない、という人向けにHello Worldレベルから解説する
- なんで、Istioと分散トレーシングが関連しているか理解する
- Wavefront/Tanzu Observabilityをしってもらう
というわけで、早速次回は「Spring Bootで分散トレーシング」です。